2010年1月14日木曜日

なんで、説明しないのか。なんで民主党のほかの議員は黙っているのか。

昔の利権体質に染まる小沢氏だから・・・

西松建設の巨額献金事件でも公設第1秘書が規正法違反に問われたのに続き、
今度は「陸山会」の土地購入にまつわる政治資金規正法違反容疑で家宅捜査された。
西松建設の次は鹿島が登場した。

西松ルートの裁判では、小沢氏側が政治的影響力を背景にして、公共工事受注を望むゼネコンから政治資金を集めてきたことを検察は問題にしている。
さしずめ、今度は、鹿島ルートに手を付けたということだろう。

小沢氏は、自民党長期政権を批判して「国民生活第一」を掲げ、政権交代を訴え実現した。
自民党がなぜ、長期政権を維持できたのか。
そこには、ゼネコン等から集めた政治資金で政界を牛耳っていた利権構造があった。

その自民党と同じ手法、体質に染まったまま、「国民生活第一」を叫んでいたということか。
政権交代という権力争奪戦に「だまされた」ということなのだろうか。

そうではない、というなら、なんで民主党のほかの議員は黙っているのか。


日経新聞 2010年1月14日
社説1 いつになれば小沢氏は説明をするのか(1/14)
 小沢一郎・民主党幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地購入にまつわる政治資金規正法違反容疑で、東京地検特捜部が陸山会や小沢氏の個人事務所さらにゼネコンの鹿島本社などを家宅捜索した。
 捜索を知った小沢氏は「私どもはこのような問題で法に触れるようなことをしたつもりはない」と語ったが、政治資金の動きや自身のかかわりなど具体的な説明は拒んだ。
 国民から強い支持を得て政権をとった民主党の最大の実力者である小沢氏に求められるのは、捜査対象になった石川知裕・元秘書(現衆院議員)らの規正法違反容疑についての見解・弁明ではない。これまで繰り返してきた「政治活動費はすべて公表している」との言葉を多くの国民が信じられなくなった現状に「国民に誤解を与え、申し訳ない」(12日の記者会見)だけで済ませたのでは、政治家としての責任から逃げたことになる。
 今回の捜索は、陸山会が東京都世田谷区の土地を秘書寮用地として購入した資金の出所を突き止めるのが目的と考えられる。
 陸山会の会計事務担当だった石川氏は特捜部の事情聴取に対し、政治資金収支報告書の記載と異なり、実際には小沢氏から個人資金4億円を受け取り購入資金に充てた、と述べたという。
 特捜部は石川氏の供述の裏付けをとるために、小沢氏に参考人聴取に応じるよう要請したとされる。事実の解明には当然にして不可欠の手順であり、小沢氏が捜査に協力しないのは極めて遺憾である。
 小沢氏の政治資金を巡っては、西松建設の巨額献金事件でも公設第1秘書が規正法違反に問われ、裁判が進行中だ。この裁判で検察は、地元岩手県などの公共工事受注を望むゼネコンから小沢氏側が政治的影響力を背景に政治資金を集めてきたと主張している。
 鹿島の本社、東北支店を小沢氏側団体と同時に捜索したのは、土地購入資金の4億円も、小沢氏の個人資金といいながら、実は西松事件と同様の手法でゼネコンから獲得したカネではないか、との疑いを検察が持つからだろう。
 公共工事の受注を狙ってゼネコンが不明朗な資金を政治家に提供する昔ながらの利権構造に、小沢氏はつかっている。そう、2つの事件の捜査を通じて検察は指摘したわけだ。自民党長期政権を批判して政権交代を訴え実現した小沢氏には、カネと政治の問題で説明を尽くす、他の政治家に増した責務がある。

(2010年1月14日01時22分 読売新聞)
検察「強制捜査」 小沢氏土地疑惑の解明を急げ(1月14日付・読売社説)
 小沢民主党幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地購入疑惑をめぐり、東京地検が政治資金規正法違反容疑で関係先の一斉捜索に乗り出した。
 土地購入に充てた資金の解明には、小沢氏の私設秘書だった石川知裕衆院議員らの再聴取だけでなく、強制捜査が欠かせないと判断したためだ。
 地検は、捜査を徹底し、全容を明らかにしてもらいたい。
 地検の捜索は、陸山会や石川氏の事務所だけでなく、大手ゼネコン「鹿島」も対象となった。
 陸山会が購入した東京都内の土地代金の原資について、石川氏は地検の調べに、小沢氏から手渡された現金4億円を充てた、と供述していた。
 一方、同時期に「石川氏に5000万円を渡した」とする中堅ゼネコン幹部らの供述もあった。鹿島は、小沢氏の地元のダム工事を受注したゼネコンの一つだ。
 公設第1秘書の政治資金規正法違反事件の公判で、地検は、小沢事務所が公共工事への影響力を背景に、ゼネコンから多額の献金を集めていた、と指摘していた。
 地検では、土地購入代金にもゼネコンの献金が含まれていたのではないかとみている。
 小沢氏は石川氏に4億円を渡したのか。原資はどのように調達したのか。陸山会が複雑な資金移動を繰り返したのはなぜか――。地検は、捜索で押収した資料と石川氏らの聴取結果をもとに、詰めの捜査を進めることになる。
 今回の強制捜査には、小沢氏が地検から事情聴取の要請を受けながら、未(いま)だに応じていない非協力的な対応も背景にあるようだ。
 小沢氏は、12日の記者会見では「捜査中」を理由に、事実関係を一切説明しなかった。
 その一方で、「計算ミスやらあったかもしれないが、意図的に法律に反する行為はしていないものと信じる」と釈明したが、とても納得できるものではない。
 読売新聞の世論調査によると、小沢氏が説明責任を果たしていないと思う人は、9割に上る。小沢氏はこれを重く受け止め、地検の聴取に応じるとともに、国民への説明責任を果たすべきだ。
 それにしても、民主党議員はなぜ、口をつぐんでいるのか。
 通常国会では、鳩山首相、小沢幹事長という政府・与党首脳の「政治とカネ」が大きな焦点になる。民主党は、「触らぬ神にたたりなし」という姿勢では困る。党の自浄能力が問われていることを自覚すべきだ。


毎日新聞 2010年1月13日 東京朝刊
社説:小沢氏会見 説明責任の放棄では
 これで納得しろという方が無理である。民主党の小沢一郎幹事長の資金団体「陸山会」をめぐる会計処理について小沢氏は12日、定例の記者会見で言及したが、まだ東京地検特捜部の捜査が継続中であることを理由に質問にはほとんどまともに答えず、特捜部の事情聴取に応じるかどうかさえ明らかにしなかった。
 なぜ、疑問に答えようとしないのか。これでは説明責任を放棄しているに等しく、国民の不信は広がるばかりだろう。
 疑問点を改めて整理する。陸山会は04年10月、東京都世田谷区に土地を購入した。不動産会社への支払いなどに当たったのは近く政治資金規正法違反(不記載)で在宅起訴される見通しの小沢氏の元私設秘書、石川知裕衆院議員だ。
 小沢事務所側は昨年秋には、資金は会の定期預金を担保に金融機関から借りた4億円を充てたと説明し、会の代表である「小澤一郎」名義で借りたことが政治資金収支報告書にも記載されている。しかし、実際には石川氏が小沢氏から提供された別の4億円が土地代金の支払いに充てられたことが、特捜部の捜査や石川氏の説明などから判明している。これは報告書に記載のない金だ。
 やはり、おかしな話だ。石川氏は4億円の定期預金を作るため、土地代金の支払いと同じ日に小沢氏の複数の政治団体から1億数千万円を集め陸山会の口座に入金している。なぜ、こんなややこしい処理をする必要があったのか。小沢氏からの資金だったことを隠すための偽装工作だった疑いが出ている。
 土地購入は小沢氏の指示だと石川氏も認めている。ならば、小沢氏は一連の不可解な金銭の出し入れについて本当に何も知らなかったのか。そもそも小沢氏は4億円もの大金をどういう経緯で用意できたのか。その原資は何か--。
 それらについて小沢氏は会見で、「計算上のミスやらはあったかもしれない」と話す一方、「意図的に法律に反する行為はしていない」と語った。不記載は認めているのかもしれないが経緯を見れば単なる記載漏れというには説得力が乏しい。一方で昨年の西松建設事件の際に繰り返した検察批判は、この日は控えめで「検察当局においてすべてご存じのこと」などと語るだけだった。
 この問題に関して一括して記者側から質問させたうえ、当初、1社1問に限定しようとしたのは国民にきちんと説明する気持ちが元々ないのではないかと疑う。18日からの通常国会で野党が鳩山由紀夫首相の政治資金問題とともに追及するのは確実だ。鳩山政権に大きな火種を残す会見となったのは間違いないだろう。


産経新聞 2010.1.14 03:06
【主張】陸山会強制捜査 小沢氏の政治責任は明白 土地疑惑の徹底解明求める
 民主党の小沢一郎幹事長の資金管理団体「陸山会」による土地購入疑惑で、東京地検特捜部が会計事務担当だった石川知裕衆院議員の事務所や陸山会事務所などの強制捜査に踏み切った。
 直接的には、石川氏が平成16年10月の土地購入資金を政治資金収支報告書に記載していなかった政治資金規正法違反(不記載)容疑によるものだ。
 だが、この土地購入は小沢氏が指示し、個人資金も提供した。その原資は不透明だ。小沢氏の関与が疑惑の核心といえる。
 陸山会に加え、東京都内の小沢氏の個人事務所への家宅捜索も行われた。土地購入に際して違法行為や脱法行為がなかったかどうか、検察当局には徹底した解明が求められている。
 最大の問題は、小沢氏の政治責任である。自らの資金管理団体が強制捜査を受けたことの責任はきわめて重大である。違法行為の疑いをもたれたことへの監督責任は免れないからだ。
 西松建設の違法献金事件でも、公設第1秘書が規正法違反罪で逮捕・起訴された。資金管理団体でありながら、陸山会が10カ所以上の不動産を購入してきた目的は国会でも疑問視されてきた。
 そうした問題を含めて、小沢氏自身の政治資金に対する考え方や取り扱いの是非が問われ、強制捜査に至ったといえる。
 与党の最高実力者として、幹事長職にとどまることが許容される状況だろうか。小沢氏を幹事長に起用した鳩山由紀夫首相には、適切な判断が求められる。
 ◆説明欠く「開き直り」
 特捜部の捜査の焦点は、「政治家小沢一郎」をめぐる不透明な資金の流れにあり、そこにメスを入れようとしたものだと受け止められる。
 土地購入に関連して、陸山会と関連政治団体との間で複雑な資金移動が行われていた。それが小沢氏の個人資金との関係で「資産隠し」とそのための「偽装工作」が行われていたのではないか、という疑惑さえ招いているからだ。
 土地購入をめぐっては、総額10億円以上とみられる資金操作の疑いがあるうえ、石川議員はカネの出どころを隠すために虚偽の説明を行ったとされる。
 特捜部はこれまで石川議員に任意の事情聴取を重ねてきたが、事件の徹底解明には強制捜査による家宅捜索が必要と判断したとみられる。石川議員に対する調べを任意から強制捜査に切り替えることも検討されている。
 小沢氏は「捜査中だから」という理由で「政治とカネ」にからむ重大な疑惑に対し、正面から答えようとしていない。国政に多大な影響を及ぼす政治家としてきわめて無責任な対応であり、疑問を呈さざるを得ない。
 それに加えて、小沢氏は特捜部による参考人聴取の要請に対して、「忙しい」との理由で拒んだままだという。
 ◆民主は自浄能力発揮を
 4億円の個人資金の原資が何なのかなど、小沢氏からの聴取は欠かせない。ゼネコンからの裏献金疑惑も浮上している。
 小沢氏は12日の定例記者会見で、陸山会の土地購入疑惑に関する具体的説明を避けた。鳩山首相も、巨額の偽装献金事件で「捜査中」との同じ理由で説明を拒み続けた。政府・与党のトップが2人とも相次いでそうした態度をとることは、政治家自身の倫理にとどまらず、国民の道義心に悪影響を与えないか。政治全体への信頼が失墜することが危惧(きぐ)される。
 小沢氏は12日の会見では「私の政治団体の問題で国民に迷惑、心配をおかけして申し訳ない」と陳謝していた。
 しかし、強制捜査を受けた13日夕、訪問先での会合では「法に触れることをしたつもりはない。国民も理解しているから政権を与えてくれた」などと語った。政治責任はないと開き直ったように聞こえる発言だ。
 自分は「もっともオープンな政治家だ」と日ごろ主張していながら、事が起きると沈黙に徹するギャップは大きすぎる。やはり説明のつかない点があるのか、という疑問をぬぐえない。
 この事態を迎えても、民主党は自浄能力を発揮できないのか。党のトップが、説明のつかない土地購入や資金管理で検察当局の強制捜査を受けている。
 小沢氏からの説明さえ求めないような空気では、政治とカネに関する正常な感覚を党自体が失っているようにみえる。

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