普天間の県内移設拒否 超党派、沖縄県民大会
大会決議とスローガン要旨
中国新聞 2010/4/25
普天間の県内移設拒否 超党派、沖縄県民大会 |
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の県外、国外への移設を日米両政府に求める大規模な県民大会が25日、同県読谷村で開かれた。多くの一般市民や県選出の与党国会議員らに加え、前政権下で同県名護市への県内移設を容認してきた自民党県連、公明党県本部も組織参加。普天間問題では初めて超党派での開催となった。
鹿児島県・徳之島への移設案が地元の強い拒絶にあうなど、鳩山由紀夫首相が目指す5月末の移設方針決着が危ぶまれる中、政府内には名護市のキャンプ・シュワブ沿岸部への現行移設計画に、修正含みで回帰する動きも見られる。しかし大会が“島ぐるみ”の県内移設拒否の民意を示したことで、政府は一層難しい対応を迫られそうだ。
仲井真弘多知事はあいさつで「政府は責任ある解決策を示し、衆院選公約に沿ってやってもらいたい」と述べ、県外移設を求めた。宜野湾市の伊波洋一市長や、県内移設案が取りざたされる名護市の稲嶺進市長、うるま市の島袋俊夫市長らも意見表明。
参加者らは「県民は沖縄戦の悲惨な教訓から戦後一貫して『命どぅ宝』(命こそ宝)、基地のない平和で安全な沖縄を希求してきた」として普天間の早期閉鎖・返還などを訴える決議と、日米地位協定の抜本的改定や基地返還跡地の経済対策、基地従業員の雇用確保などを求めるスローガンを採択した。
3市長や、大会の共同代表を務めた高嶺善伸沖縄県議会議長、翁長雄志那覇市長らは26日上京し連帯集会に参加、27日にかけて日米両政府機関に県内移設断念を直接要請し、衆参両院の議員会館前で座り込みを行う。
昨年11月に開かれた2万人の県内移設反対集会には、自公は不参加だった。 |
大会決議とスローガン要旨
25日の沖縄県民大会で採択された決議とスローガンの要旨は次の通り。
▽大会決議
1996年の日米特別行動委員会(SACO)で合意された普天間飛行場の返還は、今なお実現を見ることはなく、その危険性は放置されたままだ。
しかも、2004年に発生した沖縄国際大への米軍ヘリコプターの墜落事故は、市街地に位置し、住宅や学校などが密集する「世界一危険な飛行場」の存在をあらためて内外に明らかにした。
06年の在日米軍再編協議では同飛行場の全面返還を合意しており、県民は早期の全面返還と、政府の責任において跡地利用などの課題解決を求めている。
県民は、去る大戦の悲惨な教訓から戦後一貫して「命どぅ宝」(命こそ宝)、基地のない平和で安全な沖縄を希求してきたが、SACO合意の「普天間飛行場条件付き返還」は新たな基地の県内移設にほかならない。
県民の意思は、これまでの住民投票や県民大会などで明確に示され、移設先とされた名護市辺野古沿岸域は、ジュゴンをはじめとする希少生物をはぐくみ、世界にも類を見ない美しい海域であることが確認されている。
名護市長は、辺野古の海上および陸上への基地建設に反対している。また勝連半島沖埋め立て案には、うるま市長・市議会ともに反対を表明している。
よって、私たち沖縄県民は、県民の生命・財産・生活環境を守る立場から、日米両政府が普天間飛行場を早期に閉鎖・返還するとともに、県内移設を断念し、国外・県外に移設されるよう強く求める。
▽大会スローガン
一、日米地位協定の抜本的改定を求める
一、返還後の跡地利用を促進するため、国の責任で、環境浄化、経済対策などを求める
一、返還に伴う地権者補償、基地従業員の雇用確保を国の責任で行うよう求める |
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