2013年6月2日日曜日

米軍機F15墜落 原因不明のまま訓練再開とは 

人間の生命・財産は二の次 植民地下の人権無視の扱いではないか!

沖縄タイムス)[F15訓練再開]もうこの状態は限界だ(6/1)
琉球新報)F15飛行再開 軍のおごり許されない(5/31)
沖縄タイムス)[米軍機F15墜落]不安解消の具体策示せ(5/29)
琉球新報)嘉手納F15墜落 沖縄の空に欠陥機飛ばすな(5/29)



沖縄タイムス 2013年6月1日 09時39分
社説[F15訓練再開]もうこの状態は限界だ
 在沖米空軍は、墜落事故を起こしたF15戦闘機の飛行訓練を30日から、再開した。「所属するすべてのF15機の点検が終了した」からだという。
 墜落事故は2日前の28日に発生したばかり。原因はまだわかっていない。原因不明のまま、安全性に対する地元への丁寧な説明もなく、点検終了のいっぺんの紙切れだけで訓練を再開するというのは、いったいどういう神経か。
 2006年1月にF15墜落事故が発生したときも、在沖米空軍は、2日後に訓練を再開している。自衛隊の事故対応や、本土で発生した米軍機事故の対応と比べても、沖縄での事故対応には丁寧さが感じられない。
 日本に駐留している以上、日本の文化や習慣などを学び、事故が発生したときには地元住民の不安を解消するため誠意を尽くして対応する-それが、駐留軍の果たすべき最低限の義務である。
 かつて嘉手納基地の司令官が爆音被害を訴える住民に対して、「自由(を守るため)の音」だと主張し、ひんしゅくをかったことがある。今風に言えば、「中国から日本を守ってやっているんだぞ」ということになるだろうか。
 だが、駐留目的によって事故発生や爆音禍が正当化されたり、住民軽視の事故処理が正当化されるようなことがあってはならない。
 日米地位協定は、米軍に対して「公共の安全に妥当な考慮」を払うよう求めている。米軍の行動をしばる貴重な条文だ。これを生かすかどうかは、日本政府の姿勢にかかっている。
    ■    ■
 12年7月、民主党政権の下で普天間飛行場へのオスプレイ配備が具体化したとき、野田佳彦首相は「配備は米政府の方針であり、(日本が)どうしろこうしろという話ではない」と、平然と言ってのけた。
 米軍との関係では、日本が依然として「半主権国家」であることを一国の総理が自ら認めたようなものだ。
 米軍は日米地位協定に基づいて基地の排他的管理権を持ち、事実上、基地の自由使用を保証されている。例えば低空飛行訓練などのように、国内法では認められていないことも、例外的に認められている。 
 沖縄に米軍専用施設の約74%が集中し、その基地を米軍が自由に使用しているということは、それだけ沖縄が重い負担を背負い続けていることを意味する。
 この現実は安倍政権になっても変わらない。もうこの状態は限界だ。
    ■    ■
 沖縄は世界的に見ても類例のない「基地の島」である。これほど長期にわたって基地被害に苦しめられ続けてきた島は、世界的に見てもまれである。
 誰でも、静かな環境の下で平穏に暮らす権利を持っているが、平和的生存権は国民に平等に分配されているとはいえない。
 この問題は、「沖縄の負担軽減」か「抑止力の維持」か、という二者択一の問題ではない。持続可能で公平・公正な安全保障システムをどうつくるかという問題だ。


琉球新報 2013年5月31日            
社説:F15飛行再開 軍のおごり許されない
 この判断は大きな過ちだ。米空軍は、嘉手納基地所属のF15戦闘機の訓練飛行を30日朝から再開した。28日の墜落事故からわずか2日。原因究明どころか、事故の詳細に関する説明や再発防止策も一切示されないままだ。
 県は「一歩間違えば人命、財産に関わる重大事故につながりかねない」(仲井真弘多知事)とし、原因が究明されるまでの訓練中止を強く求めていた。29日は自民党県連をはじめ県内政党の抗議行動が相次ぎ、市民集会も開かれた。
 米側は「嘉手納基地のF15全機の点検が終了したため」と訓練再開を説明するが、県民の切実な要望を歯牙にもかけないばかりか、反省のかけらも感じられない。
 飛行訓練の再開は、墜落の危険にさらされる住民感情を著しく逆撫(さかな)でする。もはや暴挙を通り越して、県民の人権などなきに等しいと宣告するようなものだ。これが民主主義国家を自認する米国の行動原理かとあきれるほかない。
 今回の墜落事故は、幸いにも海上だったため大惨事には至らず、パイロットも無事に脱出して救助された。米軍は機体に何らかの不具合が起こったとの認識を示したが、わずか1日の点検で同様な不具合が市街地上空で起こらないという保証ができるのか。深い疑念と同時に強い憤りを禁じ得ない。
 2007年11月に米ミズーリ州でF15が空中分解して墜落した際には、嘉手納基地を含め、少なくとも1カ月半近く、全てのF15の飛行停止措置が取られた。主要構造材に亀裂が見つかったためで、パイロットの緊急脱出もままならない重大な構造的欠陥だと米軍が判断したからにほかならない。
 県内での拙速すぎる飛行訓練再開とは対応に雲泥の差がある。軍の論理を優先するあまり、地域住民の生命・財産は二の次と考えているとしか思えない。こうした二重基準は直ちに廃すべきだ。
 日本政府の対応も理解に苦しむ。原因究明までの飛行停止を米側に求めることを、なぜためらうのだろうか。仮に墜落事故が自衛隊機であったとして、2日後の飛行再開を認めるだろうか。そもそも国民世論が許すはずがない。対米追従は今に始まったことではないが、主権国家としての主体性を著しく欠いている。
 原因究明を怠ったままの訓練再開は到底許されない。F15の飛行を即刻停止すべきだ。

沖縄タイムス 2013年5月29日 09時25分
社説[米軍機F15墜落]不安解消の具体策示せ
 嘉手納基地所属のF15戦闘機が28日、国頭村安田の東南東約60キロの海上に墜落した。操縦士はパラシュートで緊急脱出し、航空自衛隊那覇基地のヘリが救助した。
 第11管区海上保安本部によると、現場海域に長さ約900メートル、幅50メートルにわたって油膜が浮いていたという。
 住民に直接的被害がなかったからといって、問題を軽くみたり、「またか」という一言で片付けるようなことがあってはならない。米軍機の事故は復帰後も多発しており、重大事故発生の懸念が消えないからだ。
 県によると、復帰後、米軍機の関連事故は2012年12月末までに540件発生している。
 06年1月には嘉手納基地所属のF15が国頭村安波の東約54キロの海上に墜落した。02年にも嘉手納基地所属のF15が本島の南約100キロの海上に墜落している。
 今年4月には米韓合同演習に参加していた普天間基地所属のCH53Eヘリが訓練中、韓国北部で墜落した。
 県民が米軍機事故に敏感なのは、重大事故を何度も経験しているからだ。復帰前の1959年、石川市(現うるま市)の宮森小学校に米軍のジェット戦闘機が墜落し、児童ら17人が死亡した。65年には読谷村で、落下傘を取り付けた米軍のトレーラーが目標地点をはずれて落下し、小学校5年の女児が死亡した。
 住民の不安は漠然とした不安などではなく、歴史体験に根差したリアルなものだ。不安を和らげるためにも、原因究明までF15の飛行訓練を中止すべきだ。
    ■    ■
 米軍基地の過重負担は一向に改善されていないにもかかわらず、政府の基地政策は十年一日のごとく変わらない。
 本土の世論も「沖縄の問題を自分たちの問題として考える」という姿勢が急速に薄らいでいる。
 沖縄の声が無視され続けてきたこの数年の動きは、少数派切り捨て、という意味ではまさに「民主主義の危機」というほかない。
 沖縄の人たちがなぜ、執拗(しつよう)にオスプレイ配備に反対するのか。その理由も、オスプレイの訓練が予定されている地域を除けば、本土側に十分に伝わっているとは思えない。
 米軍機からの部品落下事故は、枚挙にいとまがない。だが、この種の事故は本土では、ほとんど報じられない。地元メディアの報道に対して、本土在住者からは、しばしば「また沖縄が大騒ぎしている」との意見が寄せられる。
    ■    ■
 だが、安全地帯に居る人にとっては小さいかもしれないが、縦横無尽に米軍機が飛び交う沖縄では、小さな事故であっても、見過ごすことができない。「いつかは大きな事故が起きる」という歴史体験に根差した連想が働き、そうした連想が現実化した例が少なくないからだ。
 沖縄に膨大な基地を押し込め、米軍に自由使用を認めていては、県民の生命・財産は守れない。従来のような政策手法では、問題を糊塗(こと)することはできても、解決することはできない。


琉球新報 2013年5月29日            
社説:嘉手納F15墜落 沖縄の空に欠陥機飛ばすな
 米空軍嘉手納基地所属のF15戦闘機が沖縄本島東方沖海上に墜落した。墜落したホテル・ホテル訓練区域の周辺海域では、県内漁協のパヤオ漁が実施されている。今回も訓練水域外の周辺で漁船が操業していた。漁船に被害が出た可能性も否定できず、海上ではなく、陸上だったら大惨事となっていた。いつまで県民は危険な空の下で暮らさなければならないのか。
 嘉手納基地所属のF15戦闘機は2006年にも墜落事故を起こしている。11年には航空自衛隊那覇基地所属機も墜落している。同機は1979年に嘉手納に常駐配備されており、これまでの34年間で9回、10機が墜落している。約3・7年に1度の頻度で墜落している計算だ。同機が欠陥か。操縦士が問題か。いずれにしても県民にとって危険極まりない航空機と言わざるを得ない。
 墜落しているのはF15だけではない。72年の復帰後に発生した県内の米軍航空機墜落事故は今回を含めると44回だ。毎年1回以上、墜落していることになる。さらに航空機関連事故全体をみると、2012年12月末現在で、540件発生し、34人が死亡している。異常な状態ではないか。
 今回は墜落場所が海上だっため県民の被害はなかった。しかし、過去には陸地に墜落する事故は何度も起きている。1959年6月30日には石川市の宮森小学校に米軍ジェット機が墜落し、児童ら18人の命を奪った。2004年8月13日には海兵隊普天間基地所属のCH53輸送ヘリが沖縄国際大学に墜落した。学生や住民にけが人が出なかったことは奇跡と言われた。
 普天間基地には昨年10月から垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ12機が常駐している。県知事、全市町村長が反対を表明している中、沖縄の民意を踏みにじる形で強行配備された。そのオスプレイは開発段階から昨年までに7件の墜落事故を起こし、36人が死亡している。欠陥機の疑いが拭えない。
 今年夏にはさらに12機の配備を強行する計画だ。日米で定めた運用ルールや安全確保策を守らぬまま、日常的に危険な航空機が飛行を続けている現状を放置しておきながら、日米両政府は県民の生命の安全をどう保証できるというのか。F15だけでなく、オスプレイも含め安全性の担保のない機種は無期限に飛行禁止とすべきだ。さもなければ県民は安心して暮らせない。


//////////////////////////////////////////////


0 件のコメント: