2016年3月6日日曜日

辺野古新基地 代執行訴訟和解 「辺野古が唯一」固執許されぬ

辺野古が唯一の選択肢」という思考停止 政治休戦で終わらすな 沖縄米軍基地の重圧から解き放せ

<各紙社説・主張>
朝日新聞)政府と沖縄 真の和解にするために(3/5)
毎日新聞)辺野古訴訟和解 政府は誠意ある対話を(3/5)
東京新聞)「辺野古」和解 県内断念こそ選択肢に(3/5)
琉球新報)代執行訴訟和解 新基地 根本から問え 「辺野古が唯一」は本当か(3/5)
沖縄タイムス)[辺野古訴訟 和解]政治休戦で終わらすな(3/5)
しんぶん赤旗)訴訟和解・首相発言 「辺野古が唯一」固執許されぬ(3/6)




以下引用



朝日新聞 2016年3月5日(土)付
社説:政府と沖縄 真の和解にするために


 この和解を、今度こそ、政府と沖縄県の対話による事態打開につなげねばならない。
 米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設をめぐる訴訟で、政府と県の和解が成立した。
 これにより、政府は埋め立て工事を中止する。政府と県はすべての訴訟を取り下げ、円満解決に向けて協議を進めることでも合意した。
 貴重な大浦湾の自然環境が破壊される前に、工事が止まる意義は小さくない。
 ただ、対立がこれで解消したわけでもない。
 最大の問題は、安倍首相が「辺野古が唯一の選択肢」との姿勢を崩していないことだ。その前提にたつ限り、「辺野古移設NO」の民意に支えられた翁長県政との真の和解は成り立ちえない。
 和解条項には、改めて訴訟になった場合、双方が司法判断に従うことが盛り込まれた。
 そうなる前に妥協点を見いだせなければ、問題の先送りに終わりかねない。
 新たな訴訟が確定するまでには一定の時間がかかる。丁寧な議論を重ねる絶好の機会だ。
 一方で、政府の狙いは6月の沖縄県議選、夏の参院選に向けて、問題をいったん沈静化させることではないか、との懸念の声もある。
 思い出すのは、安保法制の国会審議がヤマ場を迎えた昨年夏にも、政府が工事を中断して県と1カ月間の集中協議期間を設けたことだ。この時は、県の主張を聞き置くばかりで実りある対話とは程遠かった。同じ轍(てつ)を踏んではならない。
 首相はきのう、普天間の危険性の除去と、県の基地負担の軽減が「国と県の共通の目標」だとも強調した。
 ならば、政府がいま、なすべきことははっきりしている。
 首相が県に約束した普天間の「5年以内の運用停止」の実現に全力を尽くすことである。
 福岡高裁那覇支部が示した和解勧告文には、こうある。
 「本来あるべき姿としては、沖縄を含めオールジャパンで最善の解決策を合意して、米国に協力を求めるべきである。そうなれば、米国としても、大幅な改革を含めて積極的に協力をしようという契機となりうる」
 そのために、普天間の機能の県外・国外への分散を進める。政府と県だけでなく、本土の自治体とも話し合い、米国との協議に臨むべきである。
 「辺野古が唯一の選択肢」という思考停止を脱し、県との真の和解をめざす。そのための一歩を踏み出すべきときだ。
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毎日新聞2016年3月5日 東京朝刊
社説:辺野古訴訟和解 政府は誠意ある対話を


 米軍普天間飛行場の沖縄県名護市辺野古への移設計画をめぐり国が県を訴えた代執行訴訟で、双方は裁判所が示した和解案を受け入れ、再度、協議の場につくことになった。
 ただ、国が辺野古移設を推進する方針は変わっていない。話し合いが不調に終われば、再び裁判に持ち込まれる可能性が高い。
 裁判所は、代替施設建設を前提とした「根本案」と、工事中止を含む「暫定案」という二つの和解案を示していた。今回、成立した和解の内容は、暫定案を修正したものだ。
 具体的には、代執行訴訟を含む裁判を国と県それぞれが取り下げ、国は工事を直ちに中止する。国は代執行ではなく、地方自治法に基づく是正の指示の手続きを取り、その後、県による国地方係争処理委員会への審査申し出、県による是正指示の取り消し訴訟の提起へと進む。
 双方は、判決の確定まで円満解決に向けた協議を行い、確定後は直ちに判決に従う−−という内容だ。
 県の主張をより多く取り入れており、国は当初、否定的だった。
 安倍晋三首相は和解案を受け入れた理由を「国と県が延々と訴訟合戦を繰り広げている関係が続けば、こう着状態となり、普天間が固定化されかねない」と説明した。
 政権が和解に応じた背景の一つには、選挙があると見られる。6月の県議選、夏の参院選を控え、国と県の対立がこれ以上、激しくなれば選挙に悪影響を与えかねない。
 代執行訴訟での敗訴リスクを回避する判断が働いた可能性もある。暫定案が代執行以外の手続きを求めたため、裁判所が代執行訴訟に批判的との見方が出ていたからだ。
 和解案受け入れについて、翁長雄志(おながたけし)知事は「和解が成立したことは大変意義のあることだ。それぞれが説明責任を果たしながら問題の解決に導いていくことが大切だ」と語った。
 公表された和解勧告文の中で、裁判所は「沖縄対政府という対立の構図」に触れ、「どちらがいい悪いという問題以前に双方ともに反省すべきだ」と注文している。
 特に国と地方が対等・協力の関係になることが期待された改正地方自治法の精神に反すると指摘し、本来は沖縄を含めオールジャパンで最善の解決策を合意して米国に協力を求めるべきだとの考えを示した。
 国と県は昨夏にも1カ月間、工事を中断して集中協議をしたことがある。だが安全保障関連法案の審議と重なるのを避けるための政治休戦の面が強く、議論は深まらなかった。
 今度こそ政府は県の疑問に誠実に答え、解決策を見いだしてほしい。再協議を、参院選までの時間稼ぎの形式的なものにしてはならない。
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東京新聞 2016年3月5日
【社説】「辺野古」和解 県内断念こそ選択肢に


 安倍晋三首相が裁判所の和解案を受け入れ、沖縄県名護市辺野古での米軍基地新設工事を一時中断する。しかし、計画自体を変えたわけではない。県民の基地負担軽減には県内移設を断念すべきだ。
 この裁判は、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の県内移設に必要な辺野古沿岸部の埋め立て承認を、翁長雄志知事が取り消したため、知事に代わって国が取り消し処分を撤回する「代執行」のために、国が翁長知事を訴えたものだ。
 国と県が福岡高裁那覇支部の和解案を受け入れ、きのう和解が成立した。国は代執行訴訟を取り下げて埋め立て工事を中断、訴訟手続きをやり直し、県との協議を継続するという。
 国と県はこの代執行訴訟を含めて三つの裁判で争っていた。訴訟合戦はやはり異様な光景だ。
 安倍政権は、県側の反対を押し切って埋め立て工事を強行し、知事の埋め立て承認取り消し処分に対しても、地方自治法に基づく是正指示や違法確認訴訟などの手順を踏まず、いきなり代執行訴訟に踏み切った。かなり強引だったと言わざるを得ない。
 六月には沖縄県議選があり、夏には参院選もある。工事車両などが出入りする辺野古の米軍キャンプ・シュワブのゲート前では、市民が抗議活動を続けている。
 安倍政権が工事中断を含む和解案を受け入れた背景には、強硬姿勢を貫けば選挙に悪影響が出るとの政治的判断もあったのだろう。
 国と県が法的手段を通じてではなく、話し合いで解決策を探るのが、あるべき姿だ。国が協議のテーブルに戻ることは当然である。
 とはいえ、安倍政権が辺野古への県内移設を断念したわけではない。首相はきのう「二十年来の懸案である普天間飛行場の全面返還のためには、辺野古移設が唯一の選択肢という国の考えに何ら変わりはない」とわざわざ強調した。
 市街地に囲まれ、危険な普天間飛行場の返還は喫緊の課題だが、同じ県内での代替施設建設を条件とする限り、在日米軍専用施設の約74%が集中する沖縄県に暮らす県民の米軍基地負担は抜本的には軽減されない。
 首相に埋め立て工事中断を決断する度量があるのなら、普天間飛行場の辺野古への県内移設を断念し、国外・県外移設を米側に提起すべきではないか。
 今回の和解が、選挙をしのぐ時間稼ぎであってはならない。望むべくは、沖縄を米軍基地の重圧から解き放つ「真の和解」である。
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琉球新報 2016年3月5日 06:01
<社説>代執行訴訟和解 新基地 根本から問え 「辺野古が唯一」は本当か


 辺野古新基地の埋め立てをめぐる代執行訴訟で、安倍晋三首相は工事中断を含む暫定的和解案を受け入れた。もともと前向きだった県も応じ、和解が成立した。
 一見、国が柔軟な姿勢に転じたかに見える。だがそれは見せ掛けにすぎない。真実は、敗訴間近に追い詰められた国が、やむなく代執行訴訟から退却したのである。
 県と国の対立は仕切り直しとなった。だが新基地建設という国の頑迷な姿勢はいささかも揺らいでいない。沖縄の民意を踏みにじり、あくまで新基地を押し付ける姿勢が民主主義、自治の観点から正しいのか。「辺野古唯一」は本当か。根本から問い直すべきだ。
沖縄側の勝利
 「暫定案」は国が工事を停止して代執行訴訟を取り下げた上で、代執行より強制力の低い手続きを踏んで再度、県に是正を求めるという内容だ。
 福岡高裁那覇支部の多見谷寿郎裁判長がこの和解案を示した時点で、結論は必然だったとも言える。国と県の対立に決着を図る上で最も強権的な手法が代執行だ。他の手段を経ず、いきなり最終手段たる代執行を求めた国に対し、裁判長は代執行以外の手段を勧めたわけである。「このまま行けば国敗訴だ」と警告したのに近い。
 一方で裁判長は、県側が申請していた環境や軍事専門家の証人申請を却下していた。前知事の埋め立て承認に瑕疵があったことを立証するのに不可欠な証人たちだ。却下は、翁長雄志知事の承認取り消しの適法性に対する関心の低さの表れとも見える。不適法との心証を抱いていたのかもしれない。
 さらに裁判長は、違法確認訴訟で県が敗訴すれば県は確定判決に従うかと問い、県は「従う」と答えた。このやりとりを国側にあえて見せたのではないか。代執行訴訟では国が敗訴しそうだが、仕切り直して是正の指示の取り消し訴訟になれば、いずれは国有利での解決もあり得る、とのメッセージを送ったようにも見える。
 だから国は代執行訴訟取り下げという「退却」を選択したのだろう。
 今後、県と国は再び協議の席に着く。溝が埋まらなければ、「是正の指示」、係争処理委員会、是正の指示の取り消し訴訟などの、より強権度の低い手続きへと進むことになる。その間、工事は止まる。いずれにせよ、あれだけ強硬だった政府の工事を暫定的ながら止めたのだから、沖縄側の勝利であり、成果には違いない。
真の仕切り直し
 安倍首相は早速、「辺野古移設が唯一の選択肢という考え方に変わりはない」と述べた。この頑迷ぶりが今日の混迷を招いたという自覚はうかがえない。ましてや民主主義や地方自治の無視を恥じる姿勢は見当たらなかった。
 首相の姿勢が正当化されるなら、どんな危険を強制されても、環境を破壊されても、選挙でどんな意思表示をしても、国がひとたび決めてしまえば地方は奴隷のごとく従うしかないことになる。これで民主国家だと言えるのか。それこそが本質的な問題なのだ。
 是正の指示の取り消し訴訟は国有利だとささやかれる。沖縄側敗訴もあり得るだろう。だが仮に敗訴しても、次は埋め立て承認の「撤回」をすればよい。設計変更は必ずあるからそのたびに知事が承認を下さなければ、工事はできない。いずれにせよ沖縄側が折れない限り、新基地完成は不可能である。
 今回、工事は1年以上、止まるだろう。米側もさすがに、日本政府の「移設に問題はない」との説明に疑念を募らせているはずだ。
 真の意味での仕切り直しの好機である。海兵隊は、普天間代替基地は必要か。百歩譲って必要としても、「辺野古が唯一」とする軍事的理由はない。復帰前は海兵隊の航空団と歩兵砲兵は岩国と沖縄に分かれていた。両者が近距離にないといけないというのは虚構なのだ。「沖縄の海兵隊」という思考停止の見直しが必要だ。そこからしか真の解決は見つかるまい。
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沖縄タイムス 2016年3月5日 05:00 
社説:[辺野古訴訟 和解]政治休戦で終わらすな


・和解は工事を中断し、一本化した訴訟の判決に国・県が従うとの内容
・裁判所は「国が敗訴するリスクは高い」と指摘、警鐘を鳴らしていた
・国が県の考えを取り入れ、計画を見直すことが「唯一の選択肢」だ
 国が名護市辺野古への新基地建設をあきらめたわけではないが、それでもなお、沖縄県にとって「地方自治を守り、工事を止める」という2点で、和解の成立は重要な意味を持つ。
» 社説[対北朝鮮制裁決議]中国が実効性の鍵握る
 和解条項の中には「円満解決に向けた協議を行う」との文言がある。新たな解決策を模索する第一歩にするよう、国に強く求めたい。
 翁長雄志知事による名護市辺野古の埋め立て承認取り消しをめぐる「代執行訴訟」で、県と国は福岡高裁那覇支部が示した和解勧告案を受け入れ、和解が成立した。
 これによって国が県を訴えた「代執行訴訟」、県が国を相手に起こした「係争委不服訴訟」が取り下げられ、県が提訴した「抗告訴訟」も連動して取り下げられる予定だ。
 沖縄防衛局は、行政不服審査法に基づく審査請求と執行停止申し立てを取り下げることになっている。法律上は、翁長知事が埋め立て承認を取り消した時点に戻り、工事は止まる。
 平たくいえば、工事を中断した上で、県と国が争っている訴訟をいったん取り下げて訴訟を一本化し、その判決には県も国も従う、というのが和解案の内容だ。
 行政事件訴訟で裁判所側が和解勧告を出すのは極めて異例である。なぜ、裁判所は和解案を提示したのか。
 1月29日に提示され、4日に公表された和解案を読むと、国と県の訴訟合戦に対して裁判所が深く憂慮していたことがわかる。
■    ■
 とりわけ注目したいのは、地方自治法改正によって国と地方公共団体が「それぞれ独立の行政主体として役割を分担し、対等・協力の関係となる」ことが期待されたにもかかわらず、「改正の精神にも反する状況になっている」ことを指摘し、国におきゅうを据えている点だ。
 今後も裁判で争うとなると、えんえんと法廷闘争が続き、「知事の広範な裁量が認められて(国が)敗訴するリスクは高い」とも踏み込んで指摘している。裁判所はそのような状態の異常さを強調し、司法の立場から警鐘を鳴らしたのである。
 なぜそのような混迷状況が生じてしまったのか。原因と結果を取り違えてはいけない。
 県外移設を公約に掲げて再選された仲井真弘多前知事は、6月23日の「平和宣言」の中でも、県軍用地転用促進・基地問題協議会会長としての政府要請でも、繰り返し「県外移設」を求めてきた。
 にもかかわらず、国との「密室協議」を経て、県議会にも県民にも何の事前説明もないまま、唯我独尊の手法で埋め立てを承認した。
 これが混迷の始まりだ。
 安倍政権は仲井真前知事の埋め立て承認を唯一の根拠に、名護市長選、県知事選、衆院選で示された「辺野古反対」の民意を無視して工事を強行した。
 そのことが訴訟合戦を招き、混迷を深めたのである。
 安倍晋三首相は和解が成立したその日に、記者団に対して「辺野古が唯一の選択肢であるという国の考え方に変わりはない」と語った。あ然として二の句が継げない。
■    ■
 6月の「県議選」、夏の「参院選」に配慮し、ソフト路線を演出するだけの、魂の抜けた、権謀術数の和解受け入れであってはならない。
 今後、事態は、翁長知事の埋め立て承認取り消し処分に対する「地方自治法に基づく国による是正指示」→「県による国地方係争処理委員会への審査申し出」→「是正の指示の取り消し訴訟」へと進む可能性が高い。
 仮に新たな訴訟で県が敗訴した場合、埋め立て承認取り消し処分が取り消され、工事が再開される。裁判の結果に従うことは県も明らかにしているが、知事の姿勢が「辺野古容認」に変わるわけではない。どっちみち裁判が避けられないものだとすれば、和解勧告の受け入れがベターな選択だといえる。
 政府が「対話による解決」を望むのであれば、県の考えを取り入れ、計画を見直すことである。それが辺野古問題を着地させる「唯一の選択肢」である。
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しんぶん赤旗 2016年3月6日(日)
主張:訴訟和解・首相発言 「辺野古が唯一」固執許されぬ


 沖縄の米海兵隊普天間基地(宜野湾市)に代わる名護市辺野古の新基地建設をめぐり、建設阻止のために翁長雄志知事が行った埋め立て承認の取り消しを撤回させようと安倍晋三政権が起こした代執行訴訟で両者が和解しました。和解内容は、新基地工事の中止、国と県がそれぞれ起こした訴訟の取り下げ、解決への協議などですが、重大なのは安倍首相が依然「辺野古が唯一の選択肢」と言い続けていることです。和解により、新基地強行の行き詰まりはいよいよ浮き彫りなのに、辺野古に固執する首相の姿勢は異常です。新基地計画そのものを白紙撤回すべきです。
司法でも矛盾深める国
 翁長知事が昨年10月に行った辺野古埋め立て承認の取り消しは、2014年の県知事選や衆院選で明確に示された「新基地建設ノー」の県民の声にこたえた行動です。前知事が県民への公約を踏みにじって行った埋め立て承認こそが、合理的根拠はなく、県民の暮らしと自然環境を壊し、沖縄の基地負担をさらに過酷にするものです。取り消す際も、翁長知事は第三者委員会での慎重な検証を経て結論を出しています。適法で正当な手続きであることは明らかです。
 翁長知事の承認取り消しに対し、安倍政権が「違法」だとして撤回を迫る裁判を起こすこと自体一片の道理もありませんでした。しかもやり方が強権的です。地方自治体の権限を国が乱暴に取り上げる代執行の裁判に加え、国民の権利救済が目的の行政不服審査法を悪用して知事の決定を“無効”にし、新基地建設工事を強行してきました。安倍政権のなりふりかまわぬ手法に、行政法の専門家から厳しい批判が上がっていました。
 今回の和解に際し福岡高裁那覇支部は、県と国に示した和解勧告文で、国が今後も法廷闘争で「勝ち続ける保証はない」などと指摘しました。法制度を悪用・乱用した安倍政権の手段を選ばぬやり方が、司法の場で通用するものでないことを示したものといえます。
 安倍首相や米政府が「辺野古が唯一の選択肢」などと繰り返すことは、まったく筋が通りません。首相があくまで新基地建設推進の姿勢を崩さないというのでは、訴訟を取り下げ、「円満解決」へ協議をする前提そのものが成り立たなくなります。「辺野古が唯一」という思考停止をやめるべきです。
 国が当初拒否していた工事中止を含む和解の受け入れを決めた背景に、6月の沖縄県議選や7月の参院選での影響を避ける思惑があったと伝えられています。それこそ新基地建設の強行が、沖縄県民にはとても受け入れ難いものであることを示すものです。県民世論に逆らう新基地建設強行の行き詰まりと破綻はいよいよ明白です。埋め立て中止だけでなく、新基地建設計画の撤回こそが、県民の願いにこたえる道です。
沖縄と全国の連帯さらに
 工事中止を政府に受け入れさせたのは、「オール沖縄」の団結したたたかい、名護市での粘り強い運動の力です。和解を受けた協議はこれからです。翁長知事は新基地を造らせないため「ありとあらゆる手段で、信念をもってやっていく」と表明しました。新基地建設を断念させ、普天間基地の即時閉鎖・無条件撤去へむけ沖縄と全国の連帯したたたかいを、さらに強めることが重要になっています。
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